NICU(新生児集中治療室)で働くにあたって大切なのは、自分に向いているか否かを把握することだ。成人看護とは異なる技術や知識を身につけ、NICUに必要な知識を吸収していく必要がある。その過程で大切なのは、仮に赤ちゃんが亡くなった時、自分の業務に集中できるかどうかだろう。看護師以上に落ち込んでいる両親に対してどんな言葉をかけてあげたら良いのか、次の仕事に対して自分自身どう気持ちを切り替えていけばよいのか、その点を前向きに取り組む自信のある看護師は向いているだろう。新生児という身体が不安定な状態で疾患を抱えているため、どうしても緊急性が高く、けたたましいモニター音に対して冷静に向かっていける看護師もNICUで働くにあたって必要な素質だ。また、NICUでスキルアップを考えている場合、資格の取得も検討する価値がある。例えば、赤ちゃんの取り上げ方など深い理解を得る上で、助産師という資格は大いに役立つ。産科でも必要とされる知識や技術のため、NICU以外でも役立てられる資格だろう。また、5年以上の実務経験と3年以上の実務研修を重ねることで、新生児集中ケア看護の認定看護師の資格を受験することもできる。しばらくは経験を積む必要があるため、NICUに配属されてすぐにとはいかないものの、将来的にNICUで働き続けるなら学んで損のない資格だ。もちろん、待遇の向上も見込めるため、キャリアアップとしても魅力的な資格と言える。どの資格も簡単には取得できないが、看護師として一回り大きくなるのに一役買ってくれるだろう。